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公開日:2024 / 3 / 19

贈与っぽく取り繕われた販促PRの気持ち悪さ〜「うしろめたさの人類学」を読んで

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※この文章はポッドキャスト「持ち味デザインラジオ」を文字起こししたものです。

昨日、自分が記者として所属してる岡山経済新聞の読書会がありまして、後ろめたさの人類学という本を読んで話す会がありました。 

話しながら本のことを検索してますけど、 松村圭一郎先生っていう岡大の先生も務める人類学者、文化人類学者でいいのかな。その方が2017年に書かれた本です。 

贈与経済とかって言葉があったりしますけど、僕の捉えとしては今までいわゆる普通に消費していく社会、お金と商品を交換していく社会から贈与で成り立つような社会っていうのが出てきてるよねっていうような話だったり。日本と松村先生のフィールドであるエチオピアっていう国との比べた時に、日本の社会って今どうなってるんだろうねみたいなとこだったり。日本社会って窮屈だと感じてる人多いんじゃないかな、それってなんでなんだろうね。みたいなことを、人類学なので、俯瞰的に人の行動だったり、社会の動きだったりを観察しながら、次はどんな社会を作っていけばいいんだろう、1人1人何ができるんだろう、みたいなことを書いてある本でした。 

で、なんか話す中でいろんな話が出たんですけど、1個思ったのは、その贈与と交換っていう概念が終始書いてありまして。 さっき言った通りなんだけど、交換っていうのは、商品とお金だったり、労働力とお金だったりを交換する。

そこに別に感情とか共感とかはなく、誰とどのようにそれを交換しても全く同じようにする。そして贈与っていうのは、そこに共感とか感情とかが伴うんですけど、相手に対する感謝や恩を踏まえて物を送るとか。 

あとは、人類学の後ろめたさっていう言葉が出てきます。 例えば、被災地支援とかってなった時に、大変な思いをされている被災地の方々に対して、何もなく平穏に暮らせている自分に対する後ろめたさ、この差に対する後ろめたさを感じることによって、寄付をする、寄贈をするみたいな行動が伴うよねっていう話とかっていうその贈与と交換っていうのが比較をされています。

その中でも、社会の流れとして商品行動の流れとして、ただの交換じゃなくて、贈与的に商品を買う方がいいよねっていう流れを感じます。

そのために、その商品の機能性だけじゃなくて、ストーリーだったり、社会的意義みたいなものを、ちゃんとプロモーションしましょうねっていう話だったり、ブランディングが大事だよねっていう話だったりすると思うんですよ。

そういう前提で、その行動と贈与っていうのを持った時に、ちょっと気持ち悪く思ったのが、それってただの消費行動商品なんだけど、それを贈与的に見せることによって売れるよね、みたいな見せ方、 取り繕う感じ。

もちろん取り繕うための素材は事実あるものなんだけど、手法として贈与が使われている状態って結構あるなと思っていて、 それがなんか気持ち悪いなというのを感じたんですよね。

この和菓子とかだったら、それを誰が作っててとか、どういう歴史があってとか、どういう思いで出て、みたいなことって事実としてあって、もちろんそれを出した方がいいし、出すことによってお客さんからの共感を得やすくて、他の和菓子との差別化ができる、独自性が際立つっていうことなんだけど、売れるから出すっていうのはすごい気持ち悪い。いや、正しいんだけど、なんか取り繕ってる感があるなと思った。

もう1個思ったの。例えば、母の日。母の日にカーネーション送ろうとか、お菓子を送ろうってあると思う。昨日話出たのは、お歳暮とかね。 で、母の日っていうのに、母の日って物を送った方がいいよね。だからうちの商品買いましょうってことなんですよね。売り手からすると、それって同じで、その消費行動に贈与性を付与してる。 で、なんかそうしなきゃいけないものっていうふうにしてるのが気持ち悪い。 

じゃあどうしたらいいかなっていうと、考え方の順番の違いでしかないんだけれども、 売りたいよね。商品を売りたい。

母の日ってちょうどいい。だから、母の日に花を送ろうっていう順番になるわけなんですけど、買い手としては母の日は花を送る日だから送ろう。 

順番としては逆で、母に日頃の感謝をが良い。

その販売手から消費者に向けた流れなんだけれども、 ほんとは消費者買い手が、お母さんに日頃の感謝を伝えたいなと思っている気持ち、お世話になってんなみたいな、でも感謝とかこっぱずかしいし、なかなか伝えらんないよなみたいな気持ちを形にするいい機会として母の日を使うっていう順番だと思うんですよ。

 だから、母の日に花を送ろう。母の日だから花を送るではなくて、日頃の感謝を伝えるいい機会として母の日を使おうってことだと思うので、もしかしたらアウトプットは同じになるのかもしれないけれど、その考え方の順番。

あくまでその人本人が抱えている思いだったり、願望、課題感を行動につなげる機会として、売り手が商品だったりサービスを提供するっていう流れで、商品、サービスというよりもprを組み立てていきたいなというのを考えました。

なんかそういうこと、考える、続けるっていうのは本当に大事だなと思います。はい。ちょっとごちゃっとしたけれど、 なんか大事だなと思うので、記録として話しました。はい。ではまた。

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